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帯広市医師会 病気豆知識

内科系 : 糖尿病

食事療法が大切だといわれましたが、わたしの1日に食べる量と内容はどうしたらよいのでしょうか?

あなたの年令、体格、運動量などを参考にして1日に必要な総エネルギー量を算定します。


1.標準体重をもとにしてエネルギー量を計算しますが、標準体重の計算法には下記のようにいくつかの方法があります。 ・ブローカ・桂変法・・・[身長(cm)-100]×0.9(kg)

例えば、身長160cmの人で [160-100]×0.9=54kgが標準体重です。

・BMI方式・・・・・・身長(m)の2乗×22(kg)=体重

例えば、身長170cmの人で 1.7の2乗×22≒64kg

標準体重は1つの目安であって絶対にこうでなければならないというものではありません。この体重に近い人が健康で長生きする人が多いということが分かっていますので糖尿病のある人はもちろんですが、自分では健康であると自信のある人も、自分の標準体重を計算してみて、それに近づくように体重をコントロールしてください。糖尿病だけでなく心臓病、高血圧、コレステロールや中性脂肪の高い人にも体重の調節は良い効果があることが分かっています。


2.1日の必要エネルギー量は次のように計算します。

  • 重労働に従事している人・・・
    標準体重1kg あたり 35kcal
    例えば、標準体重64・の人では 64×35=2240kcal となります。
  • 中労働に従事している人・・・
    標準体重1kg あたり 30kcal・・・64×30=1920kcal
  • 軽労働に従事している人・・・
    標準体重1kg あたり 25kcal・・・64×25=1600kcal
  • ほとんど体を使わない人・・・
    標準体重1kg あたり 20kcal・・・64×20=1280kcal

工事現場で働いている人、農繁期の農家の人などは重労働としてよいでしょうし、事務的な仕事をしている人や家事労働の人は軽労あるいは中労としてよいでしょう。自分の必要エネルギーを計算してみましょう。

以上の計算は標準体重を維持するためのものですから、標準体重をオーバーしている人が肥満を解消し標準体重をめざすにはそれぞれの必要エネルギー量よりも1~3割少なく見積もらなければなりません。小児の場合は成長期にあるので[年令(才)×100+1000]kcalとして、標準体重の10%を越えないように調節します。


3.血糖値が異常に高い場合は食事療法のほかに経口糖尿病薬、インスリン注射を同時に使用しなければならないことがありますが、血糖値がそれほど高くない軽症、中等症の糖尿病では1~2か月食事療法のみで様子をみます。食事を守っているにもかかわらず、体重が減らないときにはエネルギー量を減らさなければなりませんし、血糖値が正常に近付かないときには必要なエネルギーはこれ以上減らすのではなく、運動量を増やしたり、薬の使用を考えねばなりません。食事療法だけで体重がコントロールされ、血糖値が正常に回復する人は沢山いますので、今までの食生活の習慣を変え新しい食習慣になじむのは大変でしょうがご努力ください。最初の1~2か月は空腹感がつよく、こらえきれずに途中で諦める人がいますが、これを過ぎると新しい習慣になれてきます。


4.1日に必要なエネルギーを調節することが大切なことは勿論ですが、食事の内容に偏りがなく、食事のなかの栄養素のバランスがとれていることもとても大切です。食べてエネルギーとなる栄養素には糖質(米飯、パン、うどん、そば、いも、果物など)、脂肪(サラダ油、バター、魚油肉脂など)、蛋白質(肉、魚、チーズ、豆腐、卵白など)があります。エネルギーとはなりませんが体のなかで潤滑油として働く栄養素としてビタミン、塩類、水があります。 

糖尿病だからこれは食べなくてはならないとか、これは食べてはならないとか、とくに制限はありません。上に述べた栄養素がバランスよく食べられ、エネルギーがオーバーしないように工夫することです。日本では糖尿病食のエネルギーの配分は糖質60%、蛋白質15~20%、脂肪20~25%とされています。ビタミン、塩類は上のエネルギー食にもかなり含まれますので不足することはないと思いますが、野菜は1日300g、果物は1日80kcal、カルシウムの補給には200mlの牛乳を飲むのがよいとされています。

食事療法についての勉強には「糖尿病治療のための食品交換表」(日本糖尿病学会編)(文光堂刊)をおすすめします。帯広市内の糖尿病を診療されている先生がたは皆さん手元に用意されているか、購入できる場所を教えてくれるでしょう。

食事指導を詳しく受けたい人は管理栄養士がいる病院あるいは診療所で相談してください。食品交換表の使い方、調理の仕方、食べ方、エネルギーの配分の仕方など分かりやすく指導していただけると思います。

 

特別医療法人社団博仁会大江病院 名誉院長 小林 正先生

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