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帯広市医師会 病気豆知識

糖尿病

運動をするようにすすめられましたが, どの程度の強さで,どんな運動を,どれほどの時間すればよいのでしょうか?

運動不足の人では筋肉、脂肪、肝臓でのインスリンの働き方が悪くなっていて、ブドウ糖がうまく利用されないことが分かっています。運動療法の目的の1つはインスリンの効き方がよくなることによる血糖値の低下です。もう1つはエネルギーを消費することによる体重の減少、体脂肪量の減少です。

1.運動は沢山すれば良いというものではありません。中年以上の人では徐々に運動に慣らしていかねばなりません。主治医に心臓、呼吸、腎臓など体の異常がないかどうか、運動療法をしても心配ないかどうか、するとすればどの程度のことをするのがよいのかを確かめてください。運動中に「胸が苦しくなる、めまいがする、体のどこかが痛くなる」、運動後に「疲れが残る、体にむくみがでてくる」ときには主治医に相談することです。

2.どんな運動をしたらよいのかということですが、スポーツなど特別な運動をする必要はありません。まず歩いてみることです。1回20~30分の歩行を1日1~2回から始めてみることです。階段をかけあがる、急な坂道をかけのぼるなどは避けてください。歩行、ジョギング、サイクリングなど、軽い運動を続けると体の中で糖質が上手に使われて血糖値がさがります。これらの運動は酸素を十分に使う運動ですが、屈伸運動やストレッチ体操などは、酸素はあまり使いませんが筋力をつけるのに効果があります。
主治医と相談し、適した運動の種類、続ける時間、強さなどを決めてもらいましよう。

3.運動の種類によってエネルギーの使われかたが違います。体重60kgの人が100kcalのエネルギーを消費するのに必要な時間を次にお示しします。体重か60kg以下の人はもっと時間をかけなければなりませんし、60kg以上の人は時間を少なく見積もらなければなりません。

・1分間80mの速さの歩行 約24分
・軽いジョギング 約12分
・平地1時間あたり10kmのサイクリング 約17分
・テニスの練習 約12分
・ゴルフ(平均 ) 約21分
・水泳(クロール ) 約 5分

4.運動の強さはどのくらいがよいのか、判断に困ることがあるとおもいます。運動をしていて、これ以上は苦しくて息がつけない、最高にきつい強さを100%、きついけれどまだなんとか続けられる強さを80%、ややきついがまだまだ続けられる強さを60%、楽に続けられる強さを40%、座っているのと同じくらいの強さを20%というように運動の強さを自覚症状で分けています。糖尿病の運動療法として勧められるのは40~60%程度の強さです。運動の強さがどの程度かを知るのに自覚症状がもっとも大切ですが、脈拍数をみると大まかな運動の強さが分かります。運動の強度と脈拍数の関係を年代毎に次に示します。参考にしてご利用ください。

脈 拍 数 (1分間)
運動の強さ 70~ 60~ 50~ 40~ 30~ 20~(才)
100% 150 155 165 175 185 190
80% 130 135 145 150 160 165
60% 115 120 125 130 135 135
40% 95 100 100 105 110 110
20% 75 80 80 80 85 85

5.どれくらいの時間を、いつ運動すればよいのか?
 1回に続ける時間は最低15分くらい、30分くらいは続けるのが良いとされています。それには次のような理由があるからです。運動を開始した最初の10~15分くらいは筋肉中に貯えられていたグリコーゲンがまず利用され、次に血液の中の血糖が使われます。肥満のもとになっている脂肪がエネルギーとして利用されるのは運動を始めて15~20分してからになります。10分程度でやめると脂肪はほとんど使われないままとなります。通勤などを利用し、生活の中に長続きする運動療法を、習慣として身につけてください。
 経口糖尿病薬を飲んでいない人やインスリン注射をしていない人は、食べてから30分間を運動しないようにすれば、いつ運動してもかまいません。食後の運動は明らかに血糖を低下させます。インスリンや薬を使っている人は食事前、とくに朝食前の運動は低血糖をおこしやすいので、運動は食後の血糖が上昇している時間帯にするようにしましょう。
 糖尿病の状態がとても悪かったり、糖尿病性の合併症がひどく進んでいたり、ほかの病気が同時にあるときには、運動が病気をもっと悪くすることがあります。運動療法をどの程度にするべきか、やめるべきかなど主治医とよく相談してください。
 運動をいつもより多くするときは、その運動エネルギー消費に見合うエネルギーの補給に食べたり飲んだりするのは良くないことだとされています。仕方なく食べるのだとしても、補食の取りすぎにならないように十分気をつけてください。

 

特別医療法人社団博仁会大江病院 名誉院長 小林 正先生

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