[腸管出血性大腸菌とは]
下痢・腸管出血などの病原性を持っている大腸菌を総称して医学用 語で「下痢原性大腸菌」と呼び、行政用語では「病原大腸菌」と呼ばれています。「腸管出血性大腸菌」はその中の一種であり「べ口毒素産生性大腸菌」とも言われます。
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[O-157とは]
菌体抗原(O抗原)を用いて大腸菌を血清型分類し、157番目の菌ということです。現在170以上分類されており、溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こす菌として圧倒的に多いのはO-15 7です。
1982年、米国でハンバ-ガ-摂食による腸管出血性大腸炎の集団発生が起こりO-157が検出され、以来注目されるようになりました。
日本では1990年に埼玉県の幼稚園で飲料水(井水)が原因と考えられるO-157:H7の集団感染が発生し、以来年に1~2回程の集団発生が報告されていました。1996年に学校・幼稚園の 給食による集団発生が全国的に多発し、社会的にも大きな問題となり指定伝染病となりました。 その後腸管出血性大腸炎は1998年10月公布、1999年4月1日施行の感染症新法において3類感染症に指定されています。
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[べ口毒素とは]
べロ毒素(べロトキシン)は現在、VT1とVT2の二種類が知ら れており、VT2にはいくつかの亜型があるといわれています。べ口毒素産生性大腸菌のなかにはVT1,VT2のうち一種類のみを 産生するものと二種類を産生するものがあります。このベロ毒素がO-157感染によって引き起こされる疾病について大きく関与していると考えられています。
ベロ毒素を産生する菌はその他0-18,0-26,0-111, 0-114,0-115,0-119,0-128,0-145などが報告されていますが、O-157が圧倒的多数を占めています。
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[O-157によって引き起こされる疾病]
O-157に感染しても無症状のままで健康保菌者の人もいます。 また下痢症状があっても腸管出血は見られず軽症の人も多く見られ ます。
一般的には低年齢小児、老人や基礎疾患をもっている人は重症化することが多く注意が必要です。
O-157感染によって引き起こされる疾患には下記のものがあります。
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[溶血性尿毒症症候群(HUS)]
急性腎不全、溶血性貧血、血小板減少を主徴とする症候群です。
原因は色々報告されていますが、近年は圧倒的にO-157感染によ るものが多くなっています。
O-157感染による有症状者のうち、 2~12%がHUSを発症すると言われています。重症の例では貧 血、血小板減少が著しくなるため出血傾向に注意が必要となり、腎 不全が進行する場合は乏尿・無尿のため透析療法が必要となります。
神経症状として意識障害や痙攣がみられる例もあります。HUSを 疑われる場合は早期に検査を行ない適切なる治療を受けなければな りません。
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[O-157の感染経路]
家畜(牛、羊、山羊など)の腸管には、ある率でO-157が存在 していることが判明しています。推定ではありますが、下記に示し た感染経路が言われています。
出典:東邦大学医学部 大野 章先生
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[感染予防]
予防は要約すると、下記の3点にまとめられます。
| 予防法 | 内容 |
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| 1)菌を付けない |
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| 2)菌を増やさない |
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| 3)菌を殺す |
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船津小児科 院長 船津 龍之輔先生
北海道/帯広市医師会がお送りしている身近な病気についてのQ&A集です。
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