動脈瘤は動脈の走っている処ならどこにでも起こります。有名なものとしては,脳動脈瘤が上げられます。心臓血管外科が主に担当するのは,大動脈といわれる体の動脈の芯になる2センチほどの大きな血管です。この動脈といわれる血管は三層構造になっておりそのうち真ん中の中膜といわれる膜が動脈の屋台骨の役割をしています。この屋台骨がなんらかの原因で壊れると動脈瘤になります。一般的な原因は高血圧が挙げられますが,先天的にこの屋台骨が弱い人もいます。
代表的なものはマルファン症候群です。普通は長い間の高血圧と動脈硬化で動脈全体が膨らんでいきます。これを,真性動脈瘤といいます。最も多い場所は腹部の大動脈に発生したものですが,胸では大動脈峡部といわれるちょうど大動脈が胸からお腹に向かって反転する場所です。これらは直径で4.5センチから5センチを超えてくると破裂しやすくなり,手術が必要です。
症状はひどくならない限りほとんどないのが実情です。しかし,最近のCTスキャンの普及で,昔はぽっくり病などといわれたものが発見されるようになりました。以上の動脈瘤とは別に急に大動脈の内側が裂けてしまうものがあります。解離性大動脈瘤といわれるものです。
これは,中膜がどこかで断裂し,血管の内側が裂けそれが血管にそって裂け目が進むものです。どこまで裂けているかによって二つに分類されますが,心臓に近いところまで裂け目があれば緊急手術が必要です。心臓の近くまで裂け目があると,一週間で70%,一ヶ月で90%の人が亡くなります。
したがってできるだけ早く手術を行って悪いところを人工血管で置き換える必要があります。手術の成績は最近では安定し,緊急手術であるにもかかわらず,一般の心臓の手術と,ほぼ同等の成績になってきています。
国立病院機構帯広病院 院長 菊池 洋一先生
北海道/帯広市医師会がお送りしている身近な病気についてのQ&A集です。
夜間(21時~翌8時)は帯広市夜間急病センターへお電話下さい。また、初期救急のときは下記の電話をご利用下さい。