弁膜症の手術は大きく自分の弁をうまく利用して病気を治す,弁形成術というものと,人工の弁を使う弁置換術に分かれます。このうち人工の弁を使う弁置換術はいろいろな改良がなされて今日に至っていますが,現在使われているものは大きく分けて機械弁というものと生体弁という二種類に分かれます。機械弁というものは,特殊な金属(ピロライトカーボン)を使って造られています。
実験室では,だいたい10万年壊れないように設計されていますが,問題は血の塊がつきやすいという事です。したがってワ-ファリンという血液をさらさらにする薬を一生飲む必要があります。食べ物にも制限があります。一方生体弁というのは主にブタの大動脈弁を加工し人に使える様にしたものです。血栓がつきづらくワーファリンを飲むのは最初の3ヵ月だけですが,問題は15年くらいで極わずかですが壊れることがあることです。現在それぞれの弁が改良し続けておりどちらも優秀なものですが,これらの特徴を踏まえたその人に最も合った人工弁が選択されます。
そういった意味では,最初に述べた弁形成術がワーファリンを飲む必要がなくまた,自分の弁であるため合わなくなることもなく,理想的ですが,この方法はできる人とそうでない人がいます。現在心臓外科では,この弁形成が一人でも多くの人に応用ができるように日夜手術に改良を行っています。
国立病院機構帯広病院 院長 菊池 洋一先生
北海道/帯広市医師会がお送りしている身近な病気についてのQ&A集です。
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